4月 5th, 2015

大丸心斎橋劇場の朗読ミュージカル「山崎陽子の世界」

いよいよ今月の25(土)に大阪の大丸心斎橋劇場で朗読ミュージカル「山崎陽子の世界」が上演されます。発売後三日間でお昼の回は満席。まだ5時の回はお席がありますので、どうぞいらして下さいませ。今回も四作をご覧頂きますが、これは昨年秋東京で上演した大好評の演目を関西の方にご覧頂くものです。大野惠美さんの「おぼろ月夜」は平成13年度文化庁芸術祭大賞受賞作四作品の中のひとつで、デパートのエレベーターガールがエレベーターの中で出会った老夫婦とのお話です。偶然のふれあいの中から深い今日的な問題を浮かびあがらせながら、さわやかな涙が流れる、、特に男性の支持が多い珍しい作品です。ひたむきに演ずる大野さんの声やまなざしが多くの人を魅了し、再演の呼び声の高い作品です。次にこの季節にぴったりの題名がついた「春うらら」のご紹介を致しましょう。ベテラン有馬稲子さんはあの美しさで80才を越えていらっしゃるのです。舅のお墓参りに行く姑と嫁の、うわべでは伺いしれない遠慮会釈ない心の中でのワルクチ!どこのお宅にもありそうで、、どちらのセリフを聞いてもおかしく、心がスッキリ!そしてどちらをも応援してしまうのです。複雑な姑をさらりと演じて本当の有馬さんの心なのではないかと思ってしまうほど!これまでの長い芸歴からにじむ演技に酔っていただきましょう。応戦する堂ノ脇恭子さんは舞台の経験が多く今回の役どころにぴったりの、かわいらしさの中に未熟さと姑をイライラさせる空気を見事に演じて、姑のコッケイさを浮き上がらせるという技を見せ、両方が合うようで合わない、、しかしこの配役はピッタリ決まり、それはお二人の努力の賜だと思われます。「岸辺の花」の日向薫さんはなんといってもその華やかさで舞台を垢抜けさせる魅力の持ち主。中国ロマンあふれる物語を抒情豊かに登場人物を描きます。日向さんはその容姿からこの世のものではない世界を演じて魅力を発揮されますが、同等の努力も怠らない生粋の舞台人です。眼福にあずかっていただきましょう。「きっと明日は」の森田克子さん。毎回何役も演じるご自身はきっと子役がお好きなのではないか、、と思うほどのびのびと腕白坊主を演じます。森田さんは、「舞台は生き物、何回演じてもお客様が違えば演技も違ってくる」といつも言われます。素人の私には驚きと怖さを感じるばかりですが、確かに”舞台はお客様と共につくる”と言われることではありますね・・・。さて、では大阪のお客様とご一緒にどんな舞台ができあがるのでしょう。満開の桜の美しい時はほんの一瞬、命をかけてその美をわたしたちに見せてくれるように・・「山崎陽子の世界」は演者も作者も命をかけてお客様に語りかけるのです。どうぞ満開の美しい舞台をご覧ください。          中條秀子

by 中條 秀子 | Posted in 未分類 | 2 Comments » |